強みに目を向けるからこそ弱みを受け入れられる
前回の記事では、自分の強みに目を向けることが大事だと書きました。
今回は、なぜそうだと言えるのかについて書きます。
弱みに目を向け続けると何が起こるか
まずは、逆説的に、もし弱みに目を向け続けると何が起こるかを考えてみましょう。
多くの場合、弱みに目を向けるのは、それを何とかしたいものとして捉えていることが多いと思います。
つまり、自分に見えている弱みは、自分として頑張って改善すべきものとして捉えているということ。
それ自体は否定しないのだけれど、果たしてそれは生産的なことなのかどうか。
弱みというものをどう定義するかによるけれども、一つの見方としては自分にとっては必ずしも得意ではないこと。
得意ではない以上、頑張っても頑張っても、それが得意なものとなる確率は限りなくゼロに近いですね。
例えば私の場合、あまり他の人に関心が向かず、特に他の人の感情を捉えるのが苦手です。
だから、以前企業でマネジャーをやっていた頃に悩んでいたのは、部下の体調変化とかに気づきづらいということ。
そういう自分を客観的に見て、なんというか「冷たい人間だなぁ」と我ながら感じていました。
だから、それを何とかしたくなって、できるだけ他の人の感情レベルに関心を寄せるように努力もしました。
で、それはうまくいったのか?
もちろん、意識したなりに、意識する前からしたらそれなりに他の人を観察するようにはなったと思います。
それでも、やはり無意識レベルでは人の感情レベルを感じることはできないので、やがて気がつくと元に戻ってしまう。
そんな自分を見て、ますます「なんで俺は、こんなこともできないんだ」と自己否定に走ってしまう。
こんなことを繰り返していました。
結局弱みに目を向け続けるというのは、自分を否定し続けるのと同じことになってしまい、あまり良いことは起こらないのです。
強みに目を向けるからこそ弱みを受け入れられる
一方、強みに目を向けるというのはどういうことか?
強みの定義もいろいろとありますが、ここでは弱みの裏返しと考えてみましょう。
例えば上述した私の弱みの裏返しを考えてみると、他者の感情に影響を受けづらいというのがありますね。
では、それがどう強みになり得るかと言えば、例えばコーチングではクライアントの語る課題を自分ごとにしないのが大切です。
でも、他者の感情に敏感だと、相手が深刻に悩んでいる状況だったりすると、ついついその感情に引きづられて、「何とかしてあげなくては…」という気持ちになってしまいがちです。
そうなると、ある意味客観性が失われてしまい、コーチングが難しくなってしまいます。
もちろん私にだって多少共感力はあるので(笑)、まったく引きずられないなんてことはありませんが、少なくともクライアントの感情に振り回されることはありません。
マネジャー当時、そこに気づけてからすごく楽になったのを覚えていますし、それまで以上に部下に対するコーチング(面談)時に、より客観的に部下の課題と向き合えるようになりました。
こんなふうに、自分の弱みの裏返しとなっている強みに目を向けることで、元々目を向けていた弱みも受け入れやすくなるのです。
だからと言って、弱みに向き合う必要が全くないということではありません。
でも、まず強みに目を向けていれば、弱みは何とかしなければならないものではなく、それなりに対処すれば良いものと思えるようになると思います。
つまり、弱みは弱みとして“仕方ない”ものとして受け入れ、それにより大きな失敗をしない程度に、何らかの形で対処すれば良いのです。
こう思えれば、過度な自己否定をすることなく、むしろ強みに目を向けることで自己肯定感も上がると思います。
では、次回もお楽しみに!
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